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2019/07/11*木

「いだてん」トクヨダンスの曲


「いだてん」第26回「明日なき暴走」、思いがいっぱい過ぎて何か書くことも出来ないのですが、メモとして二階堂体操塾を人見絹枝が時をおいて三度訪れトクヨと語らいシベリアをすすめられる(二度目はオリンピック出発前汽車の中で食べなさいと渡される)それぞれのシーンで流れ、最後には絹枝が生徒たちのダンスに加わり一緒に笑顔で踊る美しい姿に泣いたピアノ曲が昔弾いたことある曲だったのでそのあたりのことを書いておきます。


曲名を知りたいという方(&弾いてみたい方もおそらく)いらっしゃるようなので辿り着いていただけるといいなと思いつつ。。。

ケーラー「こどものためのアルバム」Op.210より13番「ポルカ」
Louis Köhler Kinder Album Polka Op.210-13
ケーラー:こどものためのアルバム 全音楽譜出版社 (全音オンラインショップ)
他発表会向け曲集などに収録されてるものがあるようです。 

譜面表記はアレグレットですがドラマではだいぶゆっくりめのテンポになっています。
ダンス指導にお名前のあった村山茂代さんによる選曲なのか候補を挙げられた曲の中から選んだとかなのかはわかりませんが、実際二階堂体操塾で使ってた曲なのかもしれません。
ダンス用にテンポを落とした演奏は録音もあるのでしょうが今回新たにどなたかが弾いたものなのではないかというあたりも気になります。



二階堂トクヨのダンスといえば、第18回「愛の夢」で東京女子高等師範学校の生徒たちがチュニック姿でメイポールダンスを踊り永井道明が巻き込まれていたシーンの音楽「タランテラ舞曲」(リー作曲)も古くから日本でピアノ教材として使われた曲でした。

第22回「ヴィーナスの誕生」に続いての「いだてん紀行」二階堂トクヨ回で日本女子体育大学の皆さんの踊るトクヨのダンスではブルグミュラー「貴婦人の乗馬」が使われていてこちらは弾いたことあったり知ってる方も多く反応もたくさん見られましたが、それに対してケーラーの「ポルカ」はもっと初心者向けですが弾いたことあったり知ってる方も見られず、オリジナル曲と思われてる方もいらっしゃったりであまり広く親しまれてない曲なのかなというかんじ。(「タランテラ舞曲」についてもわかる範囲では曲への反応見つからなかったですが。)
いずれも明治時代には日本で楽譜が出版されているようなので伴奏としても弾きやすく実際にドラマ設定当時に使ってた曲である可能性も高いと思われます。
(もうちょっとそのあたりも調べてから書こうと思ったりもしたのですが、またいずれ追記できたら。)

「タランテラ舞曲」は全音のバイエルに付録として収録されていてピアノピースでも出ています。
リー:タランテラ舞曲(PP-079) 全音ピアノピース (全音オンラインショップ)

この曲を知ったのはピアノの発表会で弾いた子がいたとかそんなかんじだと思うのですがいまひとつはっきりしません。
作曲者C. Reed Leeについてはアメリカの作曲家というぐらいしかわからず。。。英語表記で検索しても全音ピースの外国語楽譜販売サイトなどしか行きつかなくて。。
(こちらもどこか調べに行ってもし何かわかったら追記したいのですが。。。)

追記:後日、木俣冬さんによるこちらの「明日への暴走」レビューで『印象的なピアノ曲は「おばあさんのポルカ」で、踊りは「万歳遊び」という名称だそう。 』とあるのを読みました。
作曲者名の記述はありませんが「~という名称だそう」というのはどなたか番組関係者からの情報に基づいて書かれた事のように思われます。

あの曲については放映を観て聴いた時点でケーラーの「ポルカ」であることはわかっているのですが、同じ曲に「おばあさんの」が付いたタイトルもある理由として思い当たるのは、同じ全音から出ている「ピアノコスモス(1)」で以前は「おばあさんのポルカ」と題されていたので「おばあさんの」が付いて伝わっているものもあるということだと思われますが現在出ているものは改められています。

この曲集編集の時点で「Grandma's Polka」と英題が併記されていたので元にするものに「おばあさんの」に訳される言葉が既にどこかで付いていた流れがあったと考えられますが、おそらくケーラーの「こどものためのアルバム」13番「ポルカ」(Polka)の前の12番が「おばあさまのワルツ」(Grossmamas Walzer)であることが関係しているのではないかと思います。

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