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2019/04/26*金

「幸福なラザロ」のオルガンの響き


映画そのものの感想はまた書けたらということにして、印象深かった教会のオルガンのことをメモしておきます。
バッハのオルガン曲がこんなふうに使われるなんて!という思いも大きいけれど、何よりオルガン奏者があの彼だ!ということにフランスの教会オルガンやオルガニストの系譜を思うことも多い日々だったので殊更印象深くなったこともあり。


オルガン奏者として出演し演奏してたのは、リールのCathédrale Notre-Dame-de-la-Treille(ノートルダム・ド・ラ・トレイユ大聖堂)オルガン奏者のKarol Mossakowski。
J.S. バッハ 「Erbarm' dich mein, oh Herre Gott」(「おお主なる神よ、われを憐れみたまえ」) BWV 721とラザロを追いかける音楽。後者は彼のオリジナルということで即興演奏的なものだと思うけど撮影、録音においてどうしたのかはわからず。

BWV 721は映画観ながらすぐにわかっていたので、クレジットでは演奏者の名前に絞って注視して確認できた。
ただ、タイミング良くというか少し前に1月に来日公演で聴いたサントゥスタッシュ教会オルガン奏者トマ・オスピタルと一緒のこちらのツイートが目に留まっていたり彼の演奏をYouTubeで聴いたりしていたので映画でほんのちょっと映った時に「あれ?」と思っていたのと名前を一応認識できていたので「あの彼だ!」と判別できたのも大きかった。

二人は共に1990年生まれ。パリ国立高等音楽院で重なる時期に学んでいるとか共通項も多く一緒のコンサートなども企画されてるよう。

ここから続き

「幸福なラザロ」でKarol Mossakowskiが弾いているBWV 721は聴けるものはないので、彼の師でもあるパリ・ノートルダム大聖堂のオリヴィエ・ラトリーの演奏を。


BWV 721は「木靴の樹」で使われたのもとても印象深かったのでこちらのサントラよりFernando Germaniの演奏も。


アリーチェ・ロルヴァケル監督のインタビューなどでBWV 721を使ったこと、バッハのオルガン曲、「木靴の樹」のことなど、ポーランド出身でフランスの教会オルガニストでもあるKarol Mossakowskiを起用したいきさつについてや、彼の即興演奏的に作られたであろうオリジナルのオルガン曲(物語の大きな要素でもあるラザロを追いかける音楽)について語ってるものがないかなと思ったのだけど見つけられず。。。
色々気になるのでまた何かわかって追記出来たらしたい。



今年3月に火事が起きた(翌月近くのノートルダムで起きたほどの大きさではなくすぐ消火できたようだけど)数日後のサンシュルピス教会でのKarol Mossakowskiの即興演奏。このチャンネルは登録しててライヴでも聴いてた。


サントゥスタッシュ教会オルガン奏者でもあるトマ・オスピタルのサンシュルピス教会での演奏も。

このチャンネルの動画は操作や足元も捉えられてたり勉強になるしそうじゃなくてもつい何度も観てしまうものばかり。



ラザロとオルガンといえば。。。ということで、いだてん「復活」の回、弥彦が語るラザロの死の知らせから大森兵蔵の場面に静かに流れるオルガンの音と合唱で流れる音楽、スウェーデンの讃美歌「Tryggare kan ingen vara」を。

「Tryggare kan ingen vara」という曲はその昔「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」で知った。学校の教室で先生のオルガン伴奏でリコーダー吹いてる印象深いシーン。同じくラッセ・ハルストレム監督の映画やかまし村のシリーズでも使われてた。